第4話

「おじゃまします……」

 前回、茜さんが漣の家に訪れてから3日後、学校帰りに再び漣の家を訪れていた。

 

「さあ、勉強しますか。

……何か元気がないように見えますが、大丈夫ですか?」

 漣は、茜さんを部屋へと案内して言った。

 

「体調は大丈夫なんだけど……。

この部屋に来ると前回の失態を思い出してしまうのと、今日のお願いがどんな内容か不安で……」

 茜さんはため息をつきながら答えた。

 

「前回の件は気にしなくていいんですよ?

とは言っても気にするでしょうから、そのために今日はお願いを聞いてもらうのですから」

「それはそうなんだけど……。どんなお願いか決まったの?」

 茜さんは漣を上目遣いで見ながら聞いた。

 

「ええ、決めました。簡単な内容だけど、少しエッチな内容でもいいという話だったので、

あそこの毛を剃って欲しいのです」

「あそこの毛?……剃る?」

 茜さんは言葉を認識できずに漣の言葉を反芻した。

 

「ええー!!!

毛を剃るなんて……全然、簡単じゃない!」

 意味を理解した茜さんは大きな声で叫んだ。

 

「そうですか?

クリームを塗って剃れば痛くないですし、すぐに終わりますよ?」

「いや、その……確かにそういう意味では簡単かもしれないけど……。

誰かに見られたら恥ずかしくてたまらないよ」

 

 茜さんの一般的な感想に対して漣は言う。

「特に週末に旅行に行く予定もないと言っていましたよね?

そうであれば、誰かに見られる前に毛はまた伸びますよ」

「で、でも……。

漣くんは何であそこの毛なんか剃ってほしいの?」

 

「茜さんの体ってスタイルも肌質も良くて、すごく綺麗だなって思うんですよね。

それこそずっと見ていられるくらい私は大好きなんですよ」

「だ、大好きなんだ……」

「ええ、大好きです。

ただ、個人的にはあそこの毛がない方がより美しいって思えるので、前回苦労してシーツを洗った代わりに何かお願いを聞いてもらえるなら、お願いしたいなと思ったわけです」

「確かに前回は迷惑をかけたとは思うけど……」

「個人差はありますが、速い人なら1週間くらいで元通りになると思いますよ。

ということは毛が無いのは一時的なものじゃないですか」

「一時的……」

 

 茜さんはしばらく考えていたが、こう言った。

「……わかったわ。

簡単なお願い、と言えるかは同意しかねるけど、前回はかなり迷惑をかけたし、今日は頑張るからこれでチャラってことにしましょう」

「ありがとうございます。……じゃあ、まずはしばらく勉強しますか?」

「いえ……気になって勉強は手がつかないから、先にやりましょう」

「分かりました」

 

 2人は浴室の前の脱衣所に移動した。

「じゃあ、これがカミソリで、これがクリームです。クリームをお湯でよく泡立ててから塗って、肌に傷をつけないようにゆっくりと剃ってください」

「……用意周到すぎない?」

「そんなことないですよ?

あ、今まで自分で剃ったことありますか?」

「無いわよ!普通無いから、そんな経験!」

 茜さんは顔に血が昇った様子で言う。

 

「んー、そうなると、少し難しいかもしれませんね。

せっかくの綺麗な肌に傷がついてもあれですし、私がやりましょうか?」

「いや、それは……」

「最終的には見せてもらいますよ?どうせ見られるなら、安全を取った方がいいのではないでしょうか?」

「……」

 茜さんは手に持ったカミソリを見ながら、自分で剃っている様子でも想像しているのか、考え込んでいる。

 そして、大きくため息をついてから言った。

「……お願いするわ」

 

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