読み切り ~鑑賞部屋~

「ああ!……透真〈とうま〉くん、気持ちいいよ」

「オレもだよ、葵〈あおい〉」

 透真と葵は、透真のお洒落な部屋で、明るく電気がついているなかでセックスをしていた。

 全体的にモノトーンで統一されており、シンプルではあるが調度品は高級感を漂わせる。

 

「透真くん……私、もうイキそう……」

「いいよ、イッて……」

 葵は壁に手をつきながら、背後から透真から激しく突かれるという立ちバックの体勢で絶頂に達した。

 

 透真は優しく葵をベッドに誘導し、葵を仰向けに寝かせると、自身は葵の足元に移動する。

「今日も葵のあそこを見せてね」

 

 透真はいつも絶頂した後の葵の女性器を見たがるのだ。

 ぐったりとしている葵の足を大きく広げ、さらに割れ目も指で広げる。

(透真くんは文句なしのイケメンだし、高級レストランで食事デートしてお金も全部奢りだし、よく高価なプレゼントもくれるし、性格も良いんだけど……

ちょっと変態なんだよなぁ……)

 葵は心の中で思った。

 

(これだけハイスペックの人は今後まず出会えないから、つい、意識しないようにしてたけど……

部屋に着くとすぐにセックスをしたがるし、向く方向や立ち位置の指定も多いし、パイパンにさせるし、暗所恐怖症だから電気消せないっていうのも全部透真くんの性癖ってだけな気がする)

 

 葵は、付き合い始めた時と違い、ようやく冷静に透真のことを見ることができるようになっていた。

 そして、自分は単なるセックスの相手として選ばれたのではないかと思い始めていた。

 

 葵はEカップのおっぱいを持ちながらウエストは細く、スタイルは通っている大学を見回してもまず見劣りしない。

 顔立ちも整っており、服装も露出が多い服装を好む影響もあってナンパは多い。

 もちろん、服装やメイク等の身なりにはかなり気を使っており、お金も時間もたくさんかけている。

 そのため、合コンで透真と出会い、トントン拍子で付き合うことになった時は今までの苦労が報われる思いだった。

 

 

「あの!……佐藤 葵さんですよね?」

 葵は、透真とのセックスの後の帰宅途中に見知らぬ男性に話しかけられた。

「……そうですけど、何か?」

 葵は、いぶかしげに聞き返した。

「あ、自分は同じ大学の田中と言います。実は、佐藤さんに伝えといた方がいいと思うことがありまして……」

 田中は、1枚の写真を葵に見せる。その写真は全裸の葵の後ろ姿であり、横顔が写っているので見る人が見れば葵だとすぐに分かる。幸い乳首は写っていない。

  

「ええ!!……こんなのどこで手に入れたのよ!」

 葵は怒りを露わにして言った。

「出処は正直分かりません……。

けど、安心してください。この写真に関しては元データごと、自分が買い取ったので出回ることはありません」

「え、そうなの?……でも、何で田中さんがそこまで……?」

 葵は、写真が出回る可能性は無いと聞いて落ち着きを取り戻した。

 

「見知らぬイケメン男性に同じ大学の女の子のエロ写真を買わないかと話しかけられ、佐藤さんの写真を見せられました。

これが出回ると佐藤さんにとって良くないと思って、交渉してデータごと買い取りました」

「それは助かるけど……いくらかかったの?」

「それは気にしないでください。勝手にやったことなので。

バイトを2ヶ月くらい頑張れば取り戻せるくらいですし」

 バイトを2ヶ月頑張るというと少なくとも10万円は超えてくるだろうと葵は思い、田中に申し訳なさが募った。

「はい、この写真はお渡ししますね。

あと、万が一を考えて連絡先を交換してもらえませんか?他にも困ったことが出た時に佐藤さんの力になりたいんです」

「そ、そこまでしてもらうのは……」

「念の為です。問題が起こらなければ、連絡先は消去してもらって構いません」

 

 そこまで言われて断る理由はなく、葵は田中と連絡先を交換した。

 葵は田中と別れ、自宅に着いた。

 そして、先程、受け取った写真を改めて見て気づいた。

(この背景って、もしかして!)

 葵はすぐに透真に電話をかけた。

 

「透真くん、どういうこと?」

「いきなりどうしたんだい、葵」

「どうしたもこうしたも……写真のことよ。私の裸の後ろ姿を盗撮したでしょ」

「……もう、バレちゃったのか。

出来心で1枚だけ盗撮して、知らないやつに話を持ち掛けたら、元データ含めてだったら、いくらでも買うって言って、いい儲けになったよ」

「本当にデータは残ってないの?」

「ない。その売ったやつにしつこく確認されて、しょうがないから全部消した」

 葵は、本当に写真のデータごと消されていることを確認して一息ついた。

 

「……透真くんのこと、もう信じられない」

「まぁ、そうだよね。……別れるのはもちろんとして、盗撮されたってことで裁判でも起こすかい?」

「……起こさないわ。証拠とは言え、あの写真を弁護士とかに見せる気にはなれないもの」

「そっか……じゃあ、今までありがとう、葵」

 葵にはまだ言いたいことは山ほどあったが、一方的に電話は切られた。

 

(透真くんにお金があるのも、過去にもこういうことしてたのかも……

田中くんに感謝だなー)

 葵は自分の男の見る目の無さを反省しつつも、自然と田中にかけていた。

「あ、田中さんですか?……はい、佐藤 葵です。……お陰様で解決しまして……」

 

 

1ヶ月後

 葵と田中は付き合うことになった。

 そして、今日は葵が田中の家に初めてお邪魔し、セックスをする流れになった。

 

 ベッドの上で田中は葵の服を脱がすと葵のおっぱいに優しく触れた。

「……やっと……」

 田中の呟きに葵は少し疑問に思った。

(やっと、と言われるほど待たせて無いと思うけど……

 自分で言うのもあれだけど、付き合い始めて3回目のデートでさせてあげるのってどちらかと言うと早い方だと思うけどな……)

 しかし、田中の愛撫によって葵の疑問は頭の隅へと追いやられるのだった。

 

 

とある居酒屋にて

「いやー、今日の鑑賞会も最高でしたな」

「そうですな。個人的には最後の立ちバックでおっぱいが揺れる感じをよく見れて最高でしたな」

「そこも良かったですが、その後にパイパンの割れ目のヒクヒクした感じが良かったですな」

 居酒屋で2人の中年男性が酒を飲みながら話している。

 

「しかし、この鑑賞会はよく考えられていますな。セックスしているすぐ隣りの部屋から鑑賞できるというのは斬新そのもの」

「そうですな。そして、それを実現する設備が素晴らしいですな。

壁一面をマジックミラーにすることでこちらからは良く見えますが、あちらは気づくことは無い。

そして、上から見たい時などは複数の隠しカメラの撮影映像が大型ディスプレイで見れますからな」

「ええ、その大型ディスプレイのおかげでパイパンの割れ目のヒクヒクも良く見えましたな」

「また、生の声がよく聞こえるのが、またいいですな」

「まぁ、その分、こちらは声を一切出せないのが大変ですがな」

「確かに」

 

「値段設定も秀逸ですな。1回1万円ですが、3回2万円。まぁ、3回分買ってしまいますな」

「個人的には安いと思いますよ。お触り無しとは言え、超A級のモデルのセックスを余すこと無く見ることが出来て、オナニーをするのは自由ですからな」

「まぁ、オナニーが1番気持ちいいと割り切れる我々には何も問題ありませんな。

……強いて言えば、撮影禁止が残念ですな」

「撮影禁止は仕方あるまいて。撮影すれば、流出リスクは避けられず、女性側が気づく可能性が出てしまう。

鑑賞部屋の方も監視されてるから、そういったルール違反はすぐに見つかるしな」

「いえいえ、ルール違反をするつもりはありませんよ。撮影禁止の意図は私も理解しています。理解した上での無いものねだりですよ。

……そう言えば、20万円もする告白サポートシステムを使ったやつはどうなりましたかね?」

「ああ、あの大学生か。きっと上手くいったんじゃないか?あのシステムでの成功率は90%を超えるって聞きますし。

あのシステムもすごいものよ。裏切られて傷付いた女性にすかさずアタックできるし、セリフや場面もアドバイスしてくれるらしいじゃないか」

「そうですよね、きっと上手くいきますね。

そうすると、また女性が変わりますな。楽しみですなー」

「そうですな。

今回の女性はスタイルは良かったが、恥じらいとかは無かったからの。次は、もう少しウブな子だといいですな」

「我々が飽きないように毎回異なる雰囲気の子を選んでいるようですし、きっと今回とは違うタイプにはなるでしょうな……」

 

 中年2人の話は続いていくのだった。

 

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