第1話 <そんなお願い 第2章>

 三日月 漣<みかづき れん>と 藤原 真司〈ふじわら しんじ〉 は今日も一緒に昼食を屋上で食べていた。

 

「しかし、漣があの新堂と付き合うとは……急展開だな」

「そんなに意外ですか?」

 真司の言葉に漣は素直に疑問を口にした。

 

「いや、性格的な組み合わせでいったら特に意外性はない。

けど、体育会系の新堂と、帰宅部の漣じゃそもそも接点がないし、

何より先週くらいまで赤の他人みたいな2人がいきなりっていうのが意外だ」

 真司のもっともな言葉に、漣は少し困ったように言った。

 

「まぁ、確かに……。

詳細はちょっと説明が難しいのですが、私が勉強を見てあげることになって話している内に、まぁ、何というか成り行きで……」

「いや、まぁ、いいんだけどよ。

オレは別に付き合うまでの過程がどうだったかには興味はないし」

 真司は、漣の説明に全くもって納得できていなかったが、深掘りはしなかった。

 

「真司の方こそ最近何か始めたのですか?

いろいろ考え事をしている様子ですが」

漣の何気ない質問に、真司は驚きの表情をした。

 

「そっか、分かるか。

なるべく顔には出ないようにしてるんだが」

「まぁ、何となくですがね。

真司は直感的に判断するので、あまり思考を整理するような仕草を普段は見ないので、何か情報を整理しながら理解しないといけない新しい事を始めたのかと思いまして」

 

「情報を整理しながら……。まぁ、そうだな。そんな感じだ。

情報が少ないから試行錯誤で理解しようとしてるんだけど、思ったように進まないんだよ」

 真司は困ったような仕草をしておどけてみせた。

「真司の直感は基本的に本質を突くので、あまり問題はないのですが、もし、全体像を正しく把握したいなら、まずは小さい事の真偽を1つ1つ確認しながら進めた方が結局は近道ということもありますよ」

「……そうだよなー。漣の言うとおりだわ。

ありがとな。1つずつ地道に確認してみるわ。

先に教室戻るわ」

 真司は少し晴れやかな顔になって屋上を立ち去った。

 

(さて、私も教室に戻りますかね……おっと、新堂さんから連絡が。

……今日の放課後は私の家で勉強ですか。何を試してみましょうか)

 漣は、 意地悪そうな 笑みを浮かべて教室に戻って始めた。

 

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